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幼い子がいる家庭の24%が「食料の貧困」...子どものチャンスを広げるため、英国で注目が集まる2つのこと
イングランド全土の小学校最大750校で無償の朝食を提供
マジック・ブレックファストは「朝食は子どもたちに不可欠と位置づけ、すべての子どもが朝食を食べられるよう政府は行動せよ」と訴える。英国初の女性財務相レイチェル・リーブス氏は教育相エレン・ウィルキンソン(1891~1947年)のレガシー(偉業)を称える。
エレンは大戦時連立政権の44年、教育法施行の責任者として初めてすべての子どもたちが無償で中等教育を受けられるようにした。学校に通うすべての子どもたちに栄養価の高い給食を無償で提供することも約束した。45年のクレメント・アトリー労働党政権では教育相を務めた。
4歳未満の子どもがいる世帯の24%が「食料の貧困」に陥る
エレンは47年に急逝し、無償の学校給食は長続きしなかった。エレンの遺志を受け、スターマー労働党政権はイングランドの小学校750校で無償の朝食を提供することを約束し、来年度予算に3300万ポンド以上を計上した。しかし学校側の準備が整わず26年4月まで延期された。
英シンクタンク「教育政策研究所」の報告書によると、今年1月時点で4歳未満の子どもがいる世帯の24%が「食料の貧困」に陥っていた。年長の子どもがいる世帯では19%だった。「食料の貧困」は子どもの教育にも悪影響を及ぼし、認知発達や数学、語彙力の低下と関係していた。
一方、金融リテラシーの向上に取り組む慈善団体「金融リテラシーとインクルージョン・キャンペーン」(FLIC)は21年、フィナンシャル・タイムズ紙によって設立された。その金融カリキュラムは約500の中学校で教えられている。