コラム

フォロワー2億人超...各国で「極右支持」を展開するイーロン・マスクの「破壊的な影響力」

2024年12月24日(火)18時02分

オバマ氏の1億3090万人、サッカーのクリスティアーノ・ロナウド選手の1億1410万人より多い。世界はリベラルのオバマ氏やアンゲラ・メルケル前独首相、強硬右派リバタリアンのトランプ氏、マスク氏、ミレイ氏、オルバン氏に分断する。

英国の極右政党「改革英国」を支持

イタリアではネオ・ファシズムの流れを汲む「イタリアの同胞」ジョルジャ・メローニ首相が誕生。フランスでは27年に予定される大統領選で極右政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏が勝利する可能性が強まっている。

マスク氏は、トランプ氏と意気投合する英国の右派ポピュリスト政党「改革英国」のナイジェル・ファラージ党首から1億ドルの政治献金を申し込まれたとされる。Xの英国法人を通じてなら政治献金は可能だ。

マスク氏は献金の可能性を否定しているが、改革英国への支持を表明している。

マスク氏はキア・スターマー英首相(労働党)と再三、衝突。少女3人がルワンダ系移民の両親を持つ若者に殺された事件に端を発する反移民暴動の際には「英国は内戦の危機に瀕している」と投稿した。

最近では「英国国民は専制的な警察国家にうんざりしている」と書き込み、物議を醸している。マスク氏の信者は世界中に散らばっている。米国ではビッグテックや金融界の大物が軒並みトランプ氏にひれ伏す中、マスク氏の極右支持は計り知れない破壊力を持つ。

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プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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