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プーチンが平然と「モンゴル訪問」を強行し、国際刑事裁判所(ICC)をあざ笑った「真意」
ウクライナ軍事支援を行う西側諸国にとってウクライナはロシアやその他の権威主義国家の侵略を防ぐ橋頭堡である。しかしプーチンを暴発させかねないウクライナの完全勝利は望んでいない。それがクルスク侵攻を西側が静観している最大の理由だ。
中国は言うに及ばず、インドやトルコ、欧州連合(EU)加盟国のハンガリー、オーストリアもロシア産エネルギーを輸入する。ロシア産エネルギーはインドやアラブ首長国連邦(UAE)を経て欧州を含む他の市場に輸出される。
ロシアからのパイプラインによる天然ガス輸入は大幅に減ったものの、液化天然ガス(LNG)の輸入は続く。昨年もロシアはEUにとって第2位のLNG供給国であり、LNG総供給量の約16%がロシア産。フランス、スペイン、ベルギーが大口の輸入国だ。
「オートクラシー(専制政治)株式会社」
世界中で台頭する権威主義に警鐘を鳴らすピュリツァー賞受賞ジャーナリスト、アン・アプルボーム氏は新著『オートクラシー(専制政治)株式会社』の中で「民主主義の終わりはすでに始まっている。全く異なるイデオロギーを持つ国家のネットワークが形成されている」と指摘する。
「共産主義を標榜する中国、ナショナリズムに冒されたロシア、神権主義のイラン、北朝鮮、その他十数カ国の支配者や支配政党がチェック・アンド・バランスや法の支配、司法の独立、自由なメディアをないがしろにしている」(アプルボーム氏)
「彼らは自由民主主義、人権、法の支配の理念を弱体化させる利害関係者の同盟なのだ。20世紀の独裁国家とは異なる点がいくつかある。21世紀の独裁者の中には欧米の国際金融システムと結託して不正に富を蓄積して権力を握った者もいる」(同)
「独裁世界にも民主世界にも親和性のある国は多くある」
ここ数年、ビジネス界だけでなく政界でも権威主義国家への投資に対する考え方に変化が起きている。アプルボーム氏は筆者の取材に「私は完全な処方箋を持っているわけではない。独裁的な世界にも、民主的な世界にも親和性のある国はたくさんある」という。
「シンガポールは米国の戦略的パートナーだ。と同時にシンガポールの多くの人々が中国とビジネスをしている。私たちはシンガポールと協力して双方の戦略的利益を守る方法を考える。つまり協力する方法を見つけるのだ。北朝鮮は別にして友人になれる中間的な国はたくさんある」
英誌エコノミストの調査部門エコノミスト・インテリジェンス・ユニットの2023年民主主義指数でモンゴルは上位35%にランクされた。
プーチンのモンゴル訪問にはロシアや権威主義国家の体制を守るだけでなく、影響力を行使できる中間に位置する国々を取り込む狙いもある。
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