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英王室の静かなる危機...「安全運転」で支持率維持に努めるチャールズ国王、頭痛の種は相変わらずの次男ヘンリー
「内憂」より「外患」の方が心配
「訴訟に執着する人は見当違いであれ正当化されるものであれ、正義を取り戻したいという願望に突き動かされている。間違ったことが行われたと信じ、その不均衡を是正するために時間・労力・資源を惜しまない。それが頻繁に行われる場合、過剰に発達した正義感が実際の出来事よりも原動力になっているのではないかと考えざるを得ない」(同紙)という。
ヘンリー公爵という「内憂」より大英帝国という過去の栄光が遺した「外患」の方が心配だ。
チャールズ国王が即位する前にカリブ海の島国バルバドスはエリザベス女王の君主制を廃止して共和制に移行した。英連邦王国の多くが共和制に移行することを真剣に考えている。その数は現在の14カ国(英国を除く)から減っていくのは必至だ。大英博物館学芸員による収蔵品盗難事件では旧宗主国に対する旧植民地の不満が改めて噴き出している。
戴冠式の際、中国共産党系機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」英語版は「エリザベス女王が受け継いだ栄光の帝国から、欧州連合(EU)離脱の余波や高インフレ、ロシア・ウクライナ危機の影響で生活費の危機に苦しむ国へと下降する転換点だ」と指摘、戴冠式効果は短命に終わるかもしれないとの見方を示している。
チャールズ国王の伝記作家でジャーナリストのキャサリン・メイヤー氏は「国王はウィリアムとキャサリンにスムーズに引き継ごうとしている。保守的な英国で上院改革が全く進まないからと言って王室制度がいつまでも続くとは限らない。君主制が終わるとしたら、それはチャールズではなく、ウィリアムとキャサリンの代だろう」と警鐘を鳴らす。
メーガン夫人は英王室を脅かす「静かなる危機」の導火線かもしれない。