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「プリゴジンの反乱」を抑えられなかったプーチン...国民に「弱くて無能」な姿が露見した指導者に迫るメルトダウン
「希望者はベラルーシにも行ける」
プーチンは「ワグネルの戦闘員や指揮官の大多数もまたロシアの愛国者であり、国民と国家に献身している。そんな彼らを祖国とその未来のためにともに戦った戦友たちに対峙させようとする企てがあったが、私の直接の指示により最後で立ち止まらせた。君たちには国防省や他の安全保障機関と契約を結ぶ機会がある。希望者はベラルーシにも行ける」と述べた。
プーチンには「プリゴジンの反乱」を抑え込む力はなかった。モスクワに向かう「正義の進軍」を止めるため軍も治安組織も動かなかった。プリゴジンとワグネルがあのまま進軍を続けていればクーデターは成功していたのだろうか。軍事行動は情報空間を駆け巡り、政治のパワーバランスに強烈なインパクトを与える。
英BBC放送は「プリゴジンは傭兵部隊2万5000人の忠誠を得ていると自負していたのかもしれないが、反乱が収まると同時にその忠誠心も失われてしまったようだ」と報じている。モスクワへの進軍を中止し、ロストフから撤退するというプリゴジンの決定にワグネル部隊とその親族は激怒しているというのだ。待望の熱気は失望と怒りに一変した。
「あのハゲたクズ野郎は自らの手でワグネルを破壊した」「無意味な反乱だ」「プリゴジンを信頼していたが、彼の行いは恥ずべきことだ」「これは純粋な裏切りだ」とモスクワを目前にしながら進軍を止めたプリゴジンを批判した。ハシゴを外された恰好のワグネル戦闘員も収まらない。そしてプリゴジンの「自爆テロ」でプーチンの威信は地に落ちた。