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「BBCは存亡の危機」、理事長に「利益相反」疑惑が浮上...背景に受信料モデルの限界と政治の圧力
英国を中心としたBBCニュースチャンネルと有料のグローバルサービス、BBCワールドニュースの統合が進むが、サンデー・タイムズ紙は「飛行機に乗る時、離陸する前にエンジンが動くかどうか知りたいのであって、高度3万フィートでエンジンを作り直さなければならないことを知りたいわけではない」というプレゼンターの愚痴を伝えている。
有名司会者が他局に移り、BBCを支えてきたベテランプロデューサーが自主退職するなど、BBCからの大量流出が続く。英国会計検査院(NAO)の報告では、iプレーヤーやサウンズなどBBCストリーミングサービス部門の報酬がライバルの大手ストリーミングサービスに比べて安いため、BBCの技術スタッフの離職率は23%に達している。
ネットフリックス(Netflix)が技術開発に投資する金額は年間17億ポンド(約2700億円)。これに対してBBCは1億ポンド(約161億円)にも満たない。さらにBBCはトップタレントに支払う高額報酬の公表が義務付けられているため、ライバル局はそれを上回る報酬を提示して狙い撃ちできるようになった。BBCのモデルは限界に達したのか。
元BBCジャーナリストで『BBC:人々の歴史』の著書がある英サセックス大学のデービッド・ヘンディ名誉教授(メディア)は「ポピュリスト的な性格を持つ政権が短期的な政治ゲームのためBBCを見捨てるという状況は十分に起こり得る。BBCにとって恐いのは急激なテクノロジーの進展より政治だ」と語る。