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習近平はどうして「死に体」プーチンとの連携を強化するのか
北朝鮮化するロシア
中国については「ウクライナ戦争が継続すれば、プーチン氏の後継者は中国からエネルギー価格の引き下げを迫られる可能性が高い。中国はプーチン氏の死とそれに伴う不安定な状況を自国の経済的立場を強化する好機ととらえるだろう」と分析する。ロシアは、中国に従属する北朝鮮の状況にますます似てきていると指摘する専門家さえいた。
『モスクワ・ルール ロシアを西側と対立させる原動力』の著書があるロシア研究の第一人者で、英シンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)上級コンサルティング研究員のキーア・ジャイルズ氏はシミュレーションの中で「ウクライナ戦争の行方がどう転んでも中国の利益になる」と話している。
ウクライナで早期和平が実現した場合、世界は安定と予測可能性を取り戻し、ロシアとの包括的・戦略的協力パートナーシップが軌道に乗り、中国に経済的利益をもたらす。戦争が継続すれば、ロシアの経済力・軍事力が弱体化し、ロシアがウクライナに侵攻したように、中国がロシアとの現・国境線の「歴史の過ち」を正す日が近づいてくることになる。
米欧との対立が深まる習氏にとって太鼓持ち役を担ってくれるプーチン氏ほどありがたい存在はいない。体制を維持する上でもプーチン氏は強力な盾になってくれている。
しかし「ロシアの国際秩序に対する破壊的な影響力が中国自身の政治的、経済的利益を侵害し始めたと認識すれば、中国は現在の立ち位置から一歩前進せざるを得なくなるかもしれない」とジャイルズ氏は指摘する。