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ゼレンスキーは英雄か、世界を大戦に巻き込むポピュリストか
コロナ対策、経済対策、腐敗撲滅に失敗したという非難をかわすため、ゼレンスキー氏はロシア敵視政策を強める。ウクライナ当局は昨年5月、プーチン氏と親交が深い親露派の野党政治家ビクトル・メドベチュク氏を国家反逆容疑で拘束し、裁判所が自宅軟禁に置いた。
同年8月には欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)加盟国など40カ国余の代表を招き、クリミア半島返還を目指す国際枠組み「クリミア・プラットフォーム」の設立会議をキエフで開いた。狼の檻の中に落ちている骨を「ロシア語を話す子供のもの」と冗談を言う超国家主義者の義勇軍大尉にゼレンスキー氏は「ウクライナの英雄」の称号を与えている。
プーチン氏は昨年中にゼレンスキー氏との対話路線を諦め、強硬路線に転換したとされる。
ゼレンスキー氏は髭を剃らず、ミリタリーグリーンのTシャツを着ている姿をSNSに投稿し、自らを「プーチン氏のエナミー・ナンバーワン」と称して"ゼレンスキー劇場"を演じ続けている。「ゼレンスキー氏は平和をもたらすと公約して当選したが、大統領就任3年目にして戦争に突入してしまった」と批判する声もある。
しかし、プーチン氏のウクライナ侵攻でゼレンスキー氏批判は影を潜めた。ゼレンスキー氏はウクライナをプーチン氏の魔手から守る国家の英雄なのか。それとも祖国ばかりか、世界を戦争に巻き込む破壊的なポピュリストなのかは、歴史の評価を待たねばなるまい。