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<COP26きょう開幕>「2025年ネットゼロ」「30年ネットネガティブ」を目指すスコットランドの酪農家に学ぶ逆転の発想
大手スーパーの求めに応じ、酪農家は大量の牛乳を生産する。それが過剰生産につながり、牛乳価格が暴落する原因になる。大量生産のため設備投資を求められる酪農家は借金を膨らませて疲労困憊する。回し車を走り続けるハツカネズミのような状況に不満を感じたカニンガムさんは他の酪農家と地元スーパーで抗議活動を行う。
「今までのやり方が間違っていた」と目が覚めたカニンガムさんは大手スーパーのサプライチェーンから独立して戸別配達を行うモデルに切り替えた。徹底的に有機農法を採用し、自分たちの手で牛乳を低温殺菌した。カニンガムさんが「ゴールドスタンダード」と呼ぶ「モスギール有機酪農場」の牛乳は甘美なクリームトップが特徴だ。
CO2回収量を増やすため大きな葉っぱの牧草を植える
91ヘクタールまで広がった「モスギール有機酪農場」では41頭の乳牛と52頭の子牛が牧草だけを食べて育つ。冬は外で牧草を食べることができないため、4カ月間搾乳はお休みになる。牧草地は光合成による二酸化炭素(CO2)の吸収量を増やすため耕作はせず、葉っぱの大きなマスタードなどを牧草として植えている。
CO2をたくさん吸収できるよう葉っぱの大きな植物が牧草として植えられている(同)
ソーシャルメディアを使って温暖化対策や環境保護に取り組んでいることをこまめにアピールした。いまや1日に900軒、1週間で2万本まで拡大した牛乳の戸別配達にはバーンズの似顔絵があしらわれたガラス瓶を使い、回収して何度も利用している。このガラス瓶の使用によって4カ月間で14万本のペットボトルを削減した。
バーンズの似顔絵をあしらった戸別配達用の牛乳瓶(同)