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日本はもう「タケヤリ」とド根性を貫くしかない──コロナ対策を妨げる政治の阻害要因とは
菅政権は緊急時の対応として未承認のワクチンや治療薬を一時的に使用できるよう、来年の通常国会に医薬品医療機器法(薬機法)改正案を提出するという。英政府は昨年、法的な枠組みを改正し、これまで10年かかると言われてきたワクチンの承認を10カ月(300日)に短縮し、昨年12月初めにワクチンの緊急使用を承認した。
今後、300日を100日に短縮するという。
日本はデジタル化よりやり方に問題
日本はデジタル化が進んでいないというより「やり方(アルゴリズム)」に大きな問題がある。
例えば、ニンジンの輪切りを星型にしようとした場合、輪切りにしてから一つ一つ星型にした方が速いのか、1本のニンジンに切れ目を入れてから輪切りにした方が良いのかをまず考える必要がある。接種までの流れをもっと単純化する。そしてパンデミック下におけるワクチンの集団予防接種はとにかく数をこなすこととスピードが大切だ。
日本の高齢者人口3617万人を年齢別にみると──。
95歳以上60万人
85~94歳558万人
75~84歳1253万人
65~74歳1746万人
1回目接種を3559万人に5カ月で展開したイギリスでは医師でも看護師でもないボランティアが訓練を受けワクチンを打っている。日本も割り切って医師や看護師だけでなく、獣医師、歯科医師、医学生、看護学生も打てるようにするべきだろう。それでも打ち手が足りなければ自衛隊員やボランティアに頼るしかない。
普通の冷蔵庫でも保存できるアストラのワクチンが承認されたら高齢者介護施設で入所者や職員に接種できる。欧州では昨年春の第一波で死者の約半分が高齢者介護施設に集中した。
次期主力戦闘機の導入でもそうだが、日本の過度のアメリカ依存は明らかにワクチンや治療薬の展開を遅らせている。英医薬品・医療製品規制庁(MHRA)や欧州医薬品庁(EMA)で承認され、使用データも豊富にあるアストラのワクチンの承認は遅れ、イギリスの大規模治験で効果が確認された大阪大学と中外製薬のリューマチ薬アクテムラも承認されない。
どうしてなのか、一度、考えてみたらどうなのか。