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感染症や生物兵器に備える英保健安全保障局が発足「週2度の国民全員検査」の奇想天外
検体のしずくを落とすことで感染の有無を見つける抗原検査法イムノクロマトグラフィーを使った迅速検査はすでにイギリスでは最前線のNHSスタッフ、介護施設の入所者と職員、児童・生徒とその家族、エッセンシャルワーカーら数百万人の命を守るため実施され、効果を上げている。
英当局は130種類以上の迅速検査キットを試しており、採用したキットでも偽陰性が4割前後出たという。さらに偽陽性も1千人に1人未満の割合で出るため、陽性者についてはさらにPCR検査を実施して、陽性検体の5~10%のゲノム解析を行い、新たな変異株の出現と流行を追跡する方針だ。
イギリスでは1日100万人を検査し、週に3万2千のコロナゲノムの解析を行っている。「ワクチンの接種が進むに伴って症例、死亡、入院数のチャートは下がり続けているからこそ、検査と追跡の重要性が増している」とハリーズ氏は寄稿の中で解説している。
段階的に解除されるロックダウン
イギリスでは4月12日から、美容院、ネイルサロン、図書館、動物園、テーマパークが再開され、レストランやパブ、バーの屋外営業が認められる。結婚式への出席者も6人から15人に拡大される。
段階的にロックダウンが解除され、ピクニックを楽しむロンドン市民(4月4日、筆者撮影)
ボリス・ジョンソン首相は「わが国民はウイルスの蔓延を食い止めるために多大な努力を払ってきた。ワクチン接種は引き続き順調に進んでおり、制限を慎重に緩和するロードマップが進行中だ。これらの努力が無駄にならないようにするためにも定期的な迅速検査がさらに重要になる」と述べた。
英製薬大手アストラゼネカと共同でコロナワクチンを開発した英オックスフォード大学ジェンナー研究所のセーラ・ギルバート教授も、ワクチンを設計したテリーザ・ラム准教授、ワクチンを実際に作った臨床バイオ製造施設の責任者キャサリン・グリーン准教授、ワクチンによるT細胞反応を調べたケイティ・エワー教授も女性。
ゲノム解析で変異株をあぶり出すCOVID-19ゲノム・コンソーシアム(COG-UK)のシャロン・ピーコック議長(微生物学)も女性。そして英保健安全保障局のトップ、ハリーズ氏も女性である。
女性の方が男性より協力的で協調性があると言われるが、腕力では生物学的に男性に劣る女性の武器は「言葉」である。だから言葉で組織をまとめるスキルは女性の方が男性より幼い頃から磨かれているとは言えるかもしれない。
その対極をなすのが甚大な被害を出したジョンソン首相、ドナルド・トランプ前米大統領、ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領だろう。