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ワクチン接種後、自己免疫疾患で急死した産科医の妻の訴え「夫の死を無駄にしないで」【コロナ緊急連載】
世界の指導者は、新型コロナワクチンへの不安を和らげるため率先して接種を受けている(写真は1月11日、アメリカのバイデン次期大統領) Tom Brenner-REUTERS
[ロンドン発]世界中で9200万人以上が感染、197万4200人超が犠牲になったコロナ危機。統計サイト「データで見た私たちの世界(Our World in Data)」によると中国1千万人、アメリカ933万人、イギリス284万人、イスラエル193万人など合わせて2946万人が1回目のワクチン接種を終えた。
パンデミックに対する大規模な集団予防接種にはハイリスクグループの「個人防衛」や、それ以上感染が広がらない集団免疫の獲得など「社会防衛」のベネフィットもあるが、未知のリスクも伴う。
「ワクチンには副反応があることをみんな知っておくべきだと私は信じます。すべての人にとって必ずしも良いこととは限りません。美しい人生、完璧な家族を破壊し、地域の多くの人々に影響を与えることが起こり得ることを知っておくべきです。彼の死を無駄にしないで。これをニュースにして、より多くの命を救って下さい」
米フロリダ州マイアミ・ビーチのマウントシナイ医療センターで働いていた産婦人科医グレゴリー・マイケルさん(56)は昨年12月18日、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発したワクチンを接種した。3日後、手足に点状出血が見られ、集中治療室に運び込まれた。
産婦人科医グレゴリー・マイケルさん(ハイディ・ネッケルマンさんのFBより)
血液検査で、通常大人で1マイクロリットル当たり15万~45万個ある血小板数がゼロになっていた。専門医チームが2週間、懸命の治療に当たったが、血小板数は元に戻らなかった。マイケルさんは意識もあり、元気だったが、最後の手術が行われる2日前、血小板不足から出血性脳卒中を起こし、息を引き取った。
「彼は自らワクチン接種に志願した」
妻のハイディ・ネッケルマンさんはフェイスブックに次のように投稿した。
「ワクチン接種の副反応で急性免疫性血小板減少症(ITP)を起こしたと診断された。彼はワクチン支持者だったので、自ら志願して接種した。地域のすべての人に愛され、何百人もの健康な赤ちゃんの出産に立ち会い、パンデミックの間も疲れを知らずに働いていた」
ファイザーは米紙ニューヨーク・タイムズに「調査しているが現時点でワクチンに直接関係があるとは思わない」とコメントした。
アメリカでは集団予防接種で重度のアレルギー反応であるアナフィラキシーが29例、そのほか腕の痛み、倦怠感、頭痛、発熱が報告されている。しかし急性ITPによる死者は初めて。米疾病予防管理センター(CDC)も調査を始めた。