コラム

経団連の会長に日本生命の筒井氏...このニュースが「日本経済の今」を映し出していると言える理由

2025年01月17日(金)17時14分

既得権益を死守するだけでは経済界の地盤沈下は続く

もっとも近年の経団連はその政治力を著しく落としている。度重なる法人減税にもかかわらず、大手企業は内部留保ばかり積み上げており、大規模な設備投資や賃上げには消極的で、国民からの反発も高まっている。

新しいトップに求められるのは、インフレが進む新しい時代において、いかに企業の業績を向上させ、賃上げを実現していくのか道筋を示すことである。経済のグランドデザインを描けず、既得権益を死守するだけでは、経済界の地盤沈下は続くばかりとなるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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