コラム

大混乱に陥った自民党総裁選...小林氏も小泉氏も「世代交代」「派閥解消」の象徴とは言えない理由

2024年08月28日(水)18時14分

小林氏や小泉氏による世代交代は実現するか

小林鷹之氏と小泉進次郎氏は、若手の有望株であり、本人らも世代交代を強く世論にアピールしている。だが小林氏を支援しているのは安倍派の一部グループであり、単なる安倍派の分裂劇にも見える。

小泉氏についても、安倍派長老の森喜朗元首相や菅義偉前首相らが支援する動きがあり、もしそうであれば、明らかに長老の影響力維持が目的ということになる。

総裁選は9月12日に告示されるが、それまでには複数の候補者が出馬を断念し、少数名に集約されてくるに違いない。実際に候補者が出そろい、誰がどの候補者を支援したのかが分かれば、派閥政治が続いているのか、本当の意味で世代交代が実現しつつあるのか、ある程度、はっきりしてくるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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