コラム

中国依存が大きい日本の半導体産業が、米中「半導体戦争」で迫られる大転換

2022年12月09日(金)17時16分

政府はこうした事態に対処するため、大手企業に呼びかけ、最先端半導体の国内生産を目指す国策企業「ラピダス」を設立したものの、アメリカから技術導入を受けなければ、最先端プロセスの量産体制を確立することはほぼ不可能である。

仮に技術を確保できたとしても、量産体制の確立には5兆から10兆円の投資が必要との見方もあり、資金を十分に確保できるかどうかの見通しも立っていない。

いずれにせよ、最先端半導体を国内で量産するにはアメリカからの支援が必須だが、アメリカは日本に中国への輸出規制を強く求めている。中国依存が大きい日本にとってジレンマとなるだろう。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネス、ITなどの分野で執筆活動を行う。億単位の資産を運用する個人投資家でもある。
『お金持ちの教科書』 『大金持ちの教科書』(いずれもCCCメディアハウス)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)など著書多数。

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