習近平「独裁」で、中国経済「成長の時代」は終焉へ...経済より重視するものとは?
毛沢東時代の中国は厳格な社会主義体制だったが、毛氏の死後、実権を握った鄧小平氏が改革開放路線を打ち出し、資本主義的な経済運営に舵を切った。鄧氏は「先に豊かになれる者から豊かになる」という先富論を提唱し、その結果、中国は目覚ましい成長を実現した。中国人の生活水準は一気に上昇したものの、今度は資本主義が行きすぎ、超富裕層と庶民の格差が拡大するという大きな問題を抱えている。
習氏の共同富裕論は、税や社会保障を通じて富を再配分するという趣旨であり、新政権は富裕層や企業に対する課税を強化する可能性が高い。こうした政策は、中国の経済成長を鈍化させる可能性があるものの、米中対立の結果、既に中国経済は大幅な失速を余儀なくされている。党内のほぼ全権力を掌握した習氏にとって、経済成長よりも、国内の統制を強めたほうが得策と判断した可能性は高い。
こうした方針は、中国との貿易に依存する日本にとっては大きな逆風となる。度重なる利上げによって米経済も失速が見込まれており、来年以降の日本経済は厳しい局面を迎えるかもしれない。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本で「粉飾倒産」する企業が増えている理由...今後はさらなる「倒産増加」が予想される 2024.10.30
【総選挙】自民党と立憲民主党の「経済/外交/政治改革」の政策比較で分かった「異例」の現象 2024.10.18