3人に1人が貯蓄300万円未満 老後の経済問題は今後さらに深刻化する
政府は年金財政の悪化から70歳までの雇用を企業に求めているが、雇用期間が延びればその分だけ企業の総人件費は増加する。仮に年功序列を維持した場合、40歳以降の昇給をストップしないと総人件費の増加を抑制できないため、今後は、昇進を重ねる一部の幹部社員を除き、賃金の低下がさらに進むと考えられる。
健康を維持できれば70歳まで働けるので、定年後も収入を確保できるが、昇給が抑制された分、貯蓄額は減り、年金も少なくなっていくだろう。現時点でも、生活保護受給者の約半数は高齢者世帯であり、年金と生活保護の違いは限りなく縮小している。安倍政権は、凍結していたマクロ経済スライドの再発動を決断したので、いよいよ年金の本格的な減額が始まっている。
年金受給額を減らせば、年金財政は好転するが、一方で高齢者の生活保護受給は確実に増える。年金財政についても、保険料だけで足りない部分については一般会計からの国庫負担が行われており、生活保護はもともと一般会計からの支出である。
つまり、年金と医療、生活保護は全て社会保障費であり、一体で議論しなければ老後の経済問題は解決できない。社会保障の包括的な議論は、次の政権における大きな政治課題といってよいだろう。
<本誌2020年9月22日号掲載>

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