通勤電車や新幹線がやたらと混んでいるのはなぜ?
ここ10年、日本の総人口はあまり変化していないが、高齢化は急速に進んでいる。高齢化が進むと、地方から都市部への人口流入が増えるので、多くの人が都市型の生活をするようになる。
日本全体で見ると、鉄道輸送はGDPの増加分しか増えていなくても、都市部への人口集中が発生すれば、都市間輸送や都市部の通勤輸送は全体の伸び以上に増える。
では、こうした混雑を解消するために、輸送力を一気に拡大すればよいのかというと、そうもいかないのが実状だろう。今後、日本の総人口は減少に転じるため、利用者総数が減る可能性が高いからである。
激しい通勤ラッシュを解消するため、小田急電鉄は3000億円を超えるともいわれる費用を投じて複々線化の工事を行った。利用者にとっては朗報だが、長い目で見れば、混雑は自然と解消に向かう可能性もあり、費用対効果は微妙なところである。
一般に鉄道各社が追加のインフラ投資に消極的なのは、将来の利用者減少を見込んでいるからという指摘がある。もしそうだとすると、しばらくは鉄道の混雑が続くことになりそうだ。
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