シャープやジャパンディスプレイと長時間労働のただならぬ関係
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<なかなか抜け出せない長時間労働の原因はこんなところにあった! 設備投資の効果を検証すれば「働き方」の未来が見えてくる>
数千億円の国費を投入し、日の丸液晶メーカーとして鳴り物入りでスタートしたジャパンディスプレイ(JDI)が、3期連続の赤字決算となり大規模なリストラに追い込まれている。もともと同社の経営には無理があると市場では認識されており、今回の結果に対して大きな驚きはない。
だが、JDIの事業縮小やシャープの経営危機に代表される日本企業の経営不振は、実は日本の働き方改革に深刻な影響を与えている可能性がある。一見すると両者は何の関係もないように思えるが、経済全体の動きを考えるとそうともいえなくなってくる。JDIやシャープの経営問題は働き方改革にどのような影響を与えているのだろうか。
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同じ製造業なのに、なぜドイツよりも稼げないのか?
働き方改革は、長時間残業を大前提とした日本の企業社会の仕組みを見直そうという試みである。日本において長時間残業がなくならいのは、日本の生産性が他国と比較して低いことが主な原因とされている。
だが、この話には「ニワトリ」と「タマゴ」的な要素が多分にある。生産性は生み出した付加価値を総労働時間で割って求められる。長時間労働が横行すれば、分母が大きくなって生産性が低下するのは当たり前のことであり、ここで話はグルグルと循環してしまう。この話は、日本の場合、業務にムダが多く、同じ生産を実現するのに多くの労働を必要としていると解釈すればよいだろう。
だが生産性を向上させるには、別のやり方もある。生み出す付加価値を大きくすれば、労働時間の多寡にかかわらず生産性を引き上げることが可能となる。実は生産性を向上させる要因としては、労働時間の削減よりも、付加価値増大による影響の方がはるかに大きい。つまり儲かるビジネスをしなければ、生産性は向上しないのだ。
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