パナマ文書問題、日本の資産家は本当に税金逃れをしているのか?
日本の金融市場は規制でがんじがらめとなっており、これが経済の活性化を妨げているとの指摘があることは多くの人が知っているはずだ。これは裏を返せば、日本における金融取引は、すべて当局の管理下にあるということを意味している。
特に海外への資産移転については、銀行の送金記録などから、ほぼすべてが把握されていると思ってよいだろう。もし疑問に思う読者の方がいるなら、実際に銀行に行って海外送金を依頼してみるとよい。わずか数百万円の資金であっても、窓口で資金の出所や送付目的などをしつこく聞かれ、場合によっては送金を断られることになるはずだ。相続税の対象になるほどの資産を、当局に把握されない形で海外に移転することなど事実上不可能である。
また、生活の拠点が海外にあるとして相続税を支払わないケースでは、生活実態が本当に海外にあるのか国税庁による厳しい調査が行われる。仮に資産を海外に移すことができたとしても、かなりの確率で国内で課税されてしまうだろう。
そうなってくると、タックスヘイブンを利用する目的のほとんどは、国際的な金融取引や不動産取引の中継地点としての利用であり、この場合にはごく当たり前のビジネス活動ということになる。
今回のリストには伊藤忠商事の名前があるが、関連して出てきたペーパーカンパニーは、中国の不動産デベロッパーとの共同開発案件で使われた可能性が高い。また、楽天会長の三木谷浩史氏の名前も出ているが、これも書類を見た限りでは、三木谷氏個人によるベンチャー企業への間接出資に使われただけのようである。
どちらのケースも、税務申告の内容に虚偽がなければ、その行為自体に違法性はないと考えた方がよいだろう。税の申告をごまかす人や企業は、その場所が国内であれ、国外であれ一定数存在している。問題は虚偽の申告をすることであって、タックスヘイブンを使ったかどうかではない。この点はしっかりと峻別する必要があるはずだ。
【参考記事・一覧】ニューストピックス:世紀のリーク「パナマ文書」の衝撃と波紋
日本維新の会、「社会保険料の引き下げ」「医療費削減」主張...背後にある「思惑」とは? 2025.03.12
「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない、コメ不足の本当の原因とは? 2025.03.05
石破首相・トランプ大統領の首脳会談が「大成功」と言えるワケ...日本企業の「利益」とは? 2025.02.20
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
品川本社/ベンダーファイナンス営業 大手外資系ICTベンダー/業界未経験歓迎・リモートワーク可
NECキャピタルソリューション株式会社
- 東京都
- 年収400万円~630万円
- 正社員
-
外資系案件担当/SNSマーケティングのコミュニケーションプランナー/東/英語力を活かせる仕事
トランス・コスモス株式会社
- 東京都
- 年収360万円~620万円
- 正社員
-
港区/アカウントマネージャー 既存営業/乳製品貿易トップシェアの外資系メーカー/リモートワーク可
フォンテラ ジャパン株式会社
- 東京都
- 年収860万円~1,100万円
- 正社員