北海道新幹線は、採算が合わないことが分かっているのになぜ開通させたのか?
整備新幹線というのは今から40年以上も前に策定された、全国に新幹線を通すための開発計画である。これによって、北海道新幹線、東北新幹線、北陸新幹線、九州新幹線(鹿児島ルート)、九州新幹線(長崎ルート)の5つが計画された。当初は、財源として旧国鉄の自己資金と財政投融資資金が想定されるなど、国費投入が大前提だったが、ここで大きな問題が発生する。旧国鉄の廃止である。
1987年、旧国鉄はJR各社(北海道、東日本、東海、西日本、四国、九州、貨物)に分割民営化された。民営化後の経営戦略は、各社が民間企業として独自に策定すべきものだが、整備新幹線計画だけはそのまま国策として残された。東京-仙台という採算性の高い路線を持つ東北新幹線においては大きな問題は発生しなかったが、採算が合わない北海道新幹線でその矛盾が露呈してしまった格好だ。
新幹線の運賃は極めて高く、若者は気軽に乗れない
JR北海道は形式的には民間会社になっているものの、実質的には国鉄のままという状況に近い。JR北海道の株式はすべて独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)」が保有しており、代表権を持つ役員の人事には閣議の了解が必要とされている。
またJR北海道は自力での事業継続が不可能であり、実質的には赤字経営が続いている。分割民営化に際しては「経営安定化基金」と呼ばれる資金がJR北海道に提供されたが、この資金の多くは株主である鉄道・運輸機構に特別に高い金利で貸し付けられている。JR北海道はこの金利収入がなければ事業を継続できないという現実を考えると、JR北海道は実質的に政府が保有し、税金で赤字の補填が行われている組織と解釈してよいだろう。
さらにいうと、新幹線の設備負担についても各種の軽減策が適用されている。北海道新幹線の設備を保有しているのはJR北海道ではなく、鉄道・運輸機構である。同機構にJR北海道が支払う設備の賃借料は年間わずか 1億1400万円であり、JR北海道はタダ同然で新幹線の設備を利用している。また、JR東日本は年間22億円の受益負担をJR北海道に支払う計画となっており、JR東日本も間接的に北海道新幹線を支援する構図だ。
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