「人間のライターはもう不要」? チャットGPTにロシアの記事を書かせてみた
チャットGPTは、情報やデータの出どころを書いてないことが多いから、信憑性のチェックに手間取る。
また、「2010年9月20日付の、ロシアの政治情勢についての主な新聞記事を集めて」と指令すると、それはできない、やらないという答えが日本語でも英語でも返ってきた。新聞は読んでいないのだろうか。
AIとはさみは使いよう
そして、いよいよズバリ、「20年時点でのロシアの政治情勢の見通しにつき、雑誌で使えるような論文を1500字以内で書いて」と指示したところ、ちゃんとポイントも押さえた記事をすらすら書き始める。
ところが字数に達して尻切れとんぼで停止した。字数を守れたのがやっと3回目。まあ、これは人間も同じか。
ということで、チャットGPTとはさみは使いよう。メディアにそのまま使えるときもある。だがプロのライターは、プラスアルファを持っている。読者を引き込む、論理と感情の勢い。五七五や四六四と読んですらすら頭に入るリズム感、等々。
そして「ウクライナの軍司令官が姿を隠している」という報道があったら、人間ならば「おかしい。ウォロディミル・ゼレンスキー大統領と対立したためかもしれない」と感じて、自分で取材を始めることができる。AIにはこれ(つまり仮説と検証)はできまい。
さらに、自分の書いたことが読者にどう作用して、どのような反応を喚起するかの計算。これは世論・社会の状況をよく心得ていないとできない芸当だ。自分の記事が外国人にも読まれると思ったら、外国人の反応まで計算に入れないといけない。
アートの要素を入れると、ライティングはさらに複雑な作業になる。チェーホフのように、いくつか言葉少ない叙述で全体の雰囲気を漂わせたり、音楽の対位法の手法で複数のテーマを絡み合わせたり、転調のつもりでムードをがらりと変えたり。
以上の全てをAIにプログラミングすることはできる。それだけの器量を持ったプログラマーがいれば。しかしそんな高価なAIを買うより、人間のライターを「適正な」原稿料で使うほうをお勧めしたい。
おっと、大事なことを忘れていた。ライターが絶滅したら、AIが「食べる」情報を作る者がいなくなる。ライターは必要なのだ。ただし、AIのための労働者として。

アマゾンに飛びます
2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本史上初めての中国人の大量移住が始まる 2025.04.26
グリーンランドを地上げするトランプ、その真意は? 2025.04.08
領土は売買できるもの――「トランプ新世」の価値観に対応せよ 2025.03.28
アメリカの対中優位は揺るがないのか......「旧友」ジョセフ・ナイ教授との議論 2025.03.15
ウクライナ停戦は世界のパラダイムシフトを引き起こすのか 2025.02.28
日本でも世界でも、公共事業で整備された近代インフラは老朽化でもう限界 2025.02.14
-
外資系顧客向けシステムエンジニア/システムインテグレータ・ソフトハウス
株式会社リファルケ
- 東京都
- 年収450万円~1,260万円
- 正社員
-
「セキュリティスタッフ」東京駅・皇居周辺の一流外資系企業・5つ星ホテル・高級ブランドショップの安全を守る仕事
株式会社ビーテックインターナショナル
- 東京都
- 月給26万円~40万円
- 正社員
-
無停電電源装置のサービスエンジニア・外資通信機器の先端製品
株式会社トランスビジョン
- 東京都
- 年収360万円~600万円
- 正社員
-
ソリューション営業/PCシェア世界No.1/外資系/大幅増員/グローバル企業/ライフワークバランスも充実
レノボ・ジャパン合同会社
- 東京都
- 年収650万円~
- 正社員