コラム

パラダイムシフトが重なる時代に日本が取り組むべきこと

2022年04月16日(土)14時30分

これから中東・アフリカ、そしてアメリカのシェールオイルとガスをめぐり、欧州、中国、日本、韓国の間で熾烈な獲得競争が始まるだろう。日本はそれを嘆いているばかりではなく、原油価格が高騰しているのを逆手に取って、再生可能エネルギー源の開発を加速させるべきだ。目標は太陽エネルギーで海水から水素を抽出すること、そして核融合炉の開発だろう。

中国とのデカップリングは、先端技術に関わるものが中心だ。しかし多くの外国企業にとっては、中国の市場規模はこれから減少していくだろう。西側諸国はその分、エネルギー源転換への国内投資増加、アフリカ、インドにおける市場開拓でしのいでいくことになろう。

この激動の時代では針路を見失わないことが大切だ。筆者が大切にしたい価値観は自分そして他の人たちの権利と生活、換言すれば「自由と繁栄」。そしてこれを(助けはするが)他国に押し付けようとしないこと。

ロシアの帝国主義であれ、アメリカのネオコンであれ、中国の共産主義であれ、日本の超国家主義であれ、自分の主義を他国に押し付けるのは不幸のもとになる。

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『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス) ニューズウィーク日本版コラムニストの河東哲夫氏が緊急書き下ろし!ロシアを見てきた外交官が、ウクライナ戦争と日本の今後を徹底解説します[4月22日発売]

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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