インドが「国境衝突で反中になる」という誤解
なにかあると、インドは口を極めて中国を罵り外国の声援を求める。アメリカや日本も、インドを「反中同盟」に引き込む好機とばかり張り切る。しかしインドは誇り高き大国。めったなことで一国にはなびかない。アメリカ、中国、ロシア、日本、イラン、イスラエルその他を張り合わせては、自国に一番都合のいい構図をつくり上げ、最大限の利益を上げていくだろう。
だから日本は、インドがこれでゴリゴリの反中になるとは思い込まず、しかし尖閣諸島問題で中国が攻勢に出てくるのを牽制するため、ややインド寄りの立場を取っていくのが賢い選択だ。
そして、1959年以来インドで亡命生活を送る高齢のダライ・ラマ14世の後継問題が表面化するとき、印中には次の山場が訪れるだろう。
<2020年7月21日号掲載>
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