中国・ロシアが退潮する世界で、際立つ日米協調「G1.5」の存在感
世界情勢の底流の最たるものはアメリカの独り勝ちだ。トランプの言う「アメリカ・ファースト」は嘲笑されながらも、世界情勢はじわじわとアメリカに有利になりつつある。国連やWTOはトランプの制裁関税に対して何もできない。日欧企業はアメリカの対中国・ロシア・イラン・北朝鮮制裁の抜け駆けをしたと言われないよう、戦々恐々だ。世界経済は法律面で米国法の影響下に収しゅうれん斂しつつある。
心配は唯一、米景気の下降だ。企業債務がGDPの7割に達しており、その多くを占める社債の償還条件が悪化すれば、金融バブルが崩壊しかねない。米経済がこければ、08年のリーマン・ショックと同じく世界もこける。今度は中国も独り勝ちとはいかない。そうなれば基軸通貨ドルを握るアメリカの立場はますます高まるだろう。
大乱が起きそうで起きないこの時代、しばし日米G1.5の安定感に浸ることとしよう。
<本誌2019年6月18日号掲載>
※6月18日号(6月11日発売)は「名門・ジョージタウン大学:世界のエリートが学ぶ至高のリーダー論」特集。「全米最高の教授」の1人、サム・ポトリッキオが説く「勝ち残る指導者」の条件とは? 必読リーダー本16選、ポトリッキオ教授から日本人への提言も。
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
日本でも世界でも、公共事業で整備された近代インフラは老朽化でもう限界 2025.02.14
ゼレンスキー主演『国民の僕』あらすじから占う、2025年ウクライナ情勢と停戦後の命運 2025.02.01
駐留米軍は本当に必要なのか? 戦後80年の日米関係を棚卸しせよ 2025.01.14
2025年の世界を「枠」を外して考えてみると...... 2024.12.23
来年に向けて日本人の一番の薬は「マゾ的思考」をやめること 2024.12.14