朝鮮半島外交で「蚊帳の外」でも、日本とロシアに秘策あり
まず、「平和条約が締結されて北朝鮮の経済建設が日程に上れば、北朝鮮開発基金を国際的に立ち上げよう。日本は1兆円規模の拠出をする」と、5月26日に予定される日ロ首脳会談でぶち上げるのだ。この基金には米中ロ各国ももちろん入るし、ロシア企業もこの基金の融資が受けられると言えばいい。
北朝鮮をめぐる交渉で日本と同じく、「お呼びでない」状況に置かれているロシアを誘って、国際舞台で共に見えを切るのだ。
在韓米軍が撤退しても、米軍は日本駐留の継続を望むだろう。日本の基地は東アジアからインド洋にかけての米軍の展開に不可欠だ。だがアメリカの大衆にはその認識がない。トランプが秋の中間選挙で受けを狙い、在日米軍の大幅削減を提唱する可能性も十分あるだろう。
これに備えて、日本は自衛隊の抑止力を大幅に向上させるべきだ。抑止力を持った上で中国や北朝鮮などと友好関係を図る。冷戦期のように、アメリカが敵視する国だから日本も対立するという時代ではない。歴史的、そして地政学的に見て、統一朝鮮にとっての脅威は、日本よりも陸続きの中ロ各国だ。
「常なる友・敵」はこれからもういなくなるかもしれない。三国志のようなバランス外交を日本はできるのだろうか。
<本誌2018年5月29日号掲載>
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
「またトラ」でウクライナ停戦が成立すれば、北朝鮮兵が平和維持軍に? 2024.11.12
中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない 2024.10.22
「焦げたアンパンマン」? 石破首相はワルになれ! 2024.10.08
強権政治家、故フジモリ大統領を礼賛した日本社会のリーダー像 2024.09.26
テレグラムCEOドゥロフは、国境を突き破るIT巨人 2024.09.06
日本にキレるロシアには大人の対応を 2024.08.24
米経済の立て直しには「根本治療」が必要だ 2024.08.01