ナショナリズムを刺激する「軍艦島」の、世界遺産としての説明責任は重い
言い換えるなら、そもそもが「世界遺産」への登録を、ある歴史的事象を自らの「国民史」の文脈に位置づけ直し、それにより国民的アイデンティティを鼓舞しようとする試みが既に転倒したものである。
そして、その事は同時にこの「世界遺産」という枠組みが、我々をして国際社会に対して歴史を語る時に何を考え、準備しなければならないのかという大きな宿題を与えている事を意味している。
勿論同じ事は、日本人のみならず、韓国人や中国人等、日本の過去に纏わる「歴史認識問題」に関わる全ての人について言う事が出来る。自国内でしか重要性を持たない「国民史」の枠組みを離れて、個々の歴史的事実を第三国の人々にもわかるようにどう説明するか。「世界遺産」が我々に突きつける「宿題」は、歴史認識問題に関わる全ての問題に共通した、一見したものより遥かに大きなものなのである。
ユン大統領の釈放と、ますます揺らぐ韓国法秩序への信頼 2025.03.18
「竜頭蛇尾」な戒厳令と、罪を免れたいユン大統領のジレンマ 2025.02.19
韓国の与党も野党も「法の支配」と民主主義を軽視している 2025.01.15
注目は、韓国ドラマばりのエリート・韓東勲が復活できるか──戒厳令後の韓国 2024.12.27
韓国大統領の暴走を止めたのは、「エリート」たちの矜持だった 2024.12.10
韓国・尹錫悦大統領に迫る静かなる危機と、それを裏付ける「レームダック指数」とは 2024.11.13
「ハト派の石破新首相」という韓国の大いなる幻想 2024.10.16