障がいがある子の新米お母さんたちへ、今伝えたいこと(後編)
あなたもきっと育てていくうちに実感するはず。「どうやってこの苦しみから逃れたのか、どう自分の中で折り合いをつけたのか」への回答にもなるかと思いますが、時間はあなたの強い味方に確実になってくれるし、大抵のことは子どもの笑顔で解決されます。そんな子がいなくなればいいなんてことは絶対にないのです。この子がいてくれればそれだけでいい、私はそう思っています。
1人では生きてはいけない子供だとわかっていながら産むことは社会に対して無責任なのではないかという思いに私も随分苛まれました。今から思えばなんと独り善がりな考えかと思います。自分は誰にも迷惑をかけずに生きてきた、という薄っぺらな自負心が自分の中での支配的だったためでしょう。生まれて死ぬまで、人は誰も1人では生きてはいけないのに。
障がいを抱えた人もその家族も、社会福祉の現場にいる皆さんも、誰もが皆安心して暮らせる社会に。娘と私自身が受け取ってきたサポートを何らかの形で社会に還元すると同時に、分断ではなく共存し、支え合うことで価値を創造していく、そんな社会が確立するよう尽力するつもりです。育児がひと段落して、少し周りを見る余裕ができたら、あなたもそうしたことに思いを馳せる時がきっと来るはずです。
あなたは私で、私はあなた。新米お母さんへ、何も心配しなくて大丈夫です。
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