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ロシアが情報戦で負けたという誤解
アメリカでは極右ニュースサイトなどが、アメリカがウクライナの生物兵器研究所に資金を提供したという、ロシアの主張を支持した。
フランスでは以前からコロナに関する陰謀論を560万人のフォロワーに拡散していた人気アーティストBoobaが、話題をウクライナにシフトしてロシアを擁護した。
フランス、ドイツの極右政治家やインフルエンサー(その多くはコロナ規制に反対していた)は、NATOがロシアの侵略を扇動したとかウクライナ軍が無実の市民を攻撃したと主張し、スペインではコロナのフェイクニュースを拡散していた。
これらのグループを少数派のように感じる人もいると思うが、そうではない。すでにロシアが発信するメッセージの浸透力は国際世論を形成するメディア並に拡大しているのだ。2022年6月22日に公開されたママイクロソフト社のレポートは、ロシアがサイバー空間で行ったことを、サイバー攻撃、サイバー諜報、影響工作に分けて分析している。その中でもっとも多くのページを割いていたのが、影響工作である。
マイクロソフト社が独自に開発した指標RPI=Russian Propaganda Indexを用いて分析した結果、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダで大手メディアに匹敵する浸透力となっていたことがわかった。ロシアのメッセージはグローバルノース各国に広がっていたのだが、受け手が反主流派だったために、そうでない人々には見えていなかった。
たとえばアメリカ成人の26%はアメリカがウクライナにバイオラボを設置していたというロシアの陰謀論を信じていたという調査結果もある。幸いなことに信じていない割合は45%と多かったが、それでも26%は4人に1人の計算になるのでかなり高い。信じていると回答した者の74%がQAnonの信奉者だった。
また、共和党の4人に1人がQAnon信者(25%)で、QAnon信者は共和党を肯定的にとらえる割合が多く、民主党には否定的という調査結果もある。また、極右のニュース(One America News NetworkやNewsmax)を最も信頼している共和党員の半数近く(47%)がQAnon信者で、Fox Newsを最も信頼している共和党員(26%)、TVニュースを信頼していない(26%)となっていた。
アメリカ共和党全国委員会が、2021年1月6日に起きたアメリカ合衆国議会議事堂襲撃事件を「合法的な政治的言説(legitimate political discourse)」であり、同事件を議会が調査するのは「一般市民への迫害」であると圧倒的多数で決議したことは、他の調査結果と符合する。トランプは大統領選で再選されたら、逮捕された人々に恩赦を与えると発言して物議をかもした。
最近のForeign AffairsでSpotlight: American Democracyとしてアメリカの民主主義についての記事を5つ紹介したが、そのうち3つはトランプと共和党の危うさに関するものだった。アメリカ2大政党のひとつ共和党は、すでにトランプと陰謀論に侵食されている。
今年のアメリカの中間選挙の結果次第では、アメリカのロシアに対する態度が一変する可能性も否定できない。
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