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タリバンのネット世論操作高度化の20年の軌跡
タリバンのSNSは20年前に比較すると、はるかに高度になった REUTERS/Jorge Silva
<タリバンは針の穴を通すようにSNSのルールをうまくかいくぐって利用し、それが洗練され、高度であることから、少なくともPR企業が支援しているのだろう...... >
2021年夏、タリバンの攻勢が強まるにつれ、ツイッターでのプロパガンダ活動も活発になっていった。デジタルフォレンジック・リサーチラボのレポートはタリバンのスポークスマンであるZabiullah Mujahid(@Zabehulah_M33)のツイートのエンゲージメントが8月15日のカブール制圧でピークに達したとしている。
40万人以上のフォロワーを持つこのアカウントに対するエンゲージメントは、いいね!やリツイートだけではなかった。ツイートの74%は他のツイッターアカウントに「copypasta」(コピペ)されていた。「copypasta」のほとんどは1~2分以内に行われており、自動的にツイートされたものである可能性が高い。
タリバンはSNS企業のテイクダウンを回避することに精通しており、「copypasta」を多用するのもそのひとつと推測されている。スポークスマンのアカウントが停止されても、ツイートが残るようにするためだ。また、ハッシュタグを多数使い、ツイッターのトレンドに入りやすくするテクニックも弄していたという。
タリバンのSNSは20年前に比較すると、はるかに高度になった。複数のSNSを協調させてプロパガンダを増幅し、ポジティブなイメージを広げようとしている。
さらにSNSを通じて世界への影響力を強める可能性もForbesなどで指摘されているが、SNS企業はタリバンをサービスから排除すべきか否かという課題に直面している。対応が後手に回る中で、すでにさまざまな影響が出始めている。
タリバンが過激派に火をつけた
タリバンの勝利はタリバンだけに留まらず、さまざまところに波紋を広げている。そのひとつが極右などの過激派の活性化だ。
BuzzFeed Newsやデジタルフォレンジック・リサーチラボおよびThe Washington Postによると、タリバンのアフガニスタン征圧は、ネオナチや極右ユーチューバー、右派のプラウドボーイズ、ホワイトナショナリストなどから賞賛され、「我々ももっと大きなことができるはずだ」といった過激派の野望に火をつけた。
デジタルフォレンジック・リサーチラボによれば、タリバンと過激派の主張は、女性への差別、LGBTQへの敵意、中絶への反対、原理主義的な宗教政府への支持など、いくつかの点で一致している。どちらも欧米の社会的進歩が文化や政治的の堕落の原因であると考え、その原因を作った民間や政府の団体および人物に対して深い恨みを抱いている。
BuzzFeed Newsの記事によると、これらの過激派グループは、タリバンの成功を勧誘や組織化に利用している。勧誘のターゲットは、アメリカの退役軍人や請負業者である。アフガニスタンでのアメリカの撤退に不満を抱いている一部の者を狙っているという。
アメリカ国土安全保障省は2021年8月13日の段階で、Terrorism Advisory System (NTAS) Bulletin(をリリースし、こうした動きに対して警告を発している。
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