タイ3月輸出18%増と3年ぶり高い伸び、駆け込み需要が加速
[バンコク 24日 ロイター] - タイ商務省が24日発表した3月の貿易収支は、輸出が前年同月比17.8%増と、3年ぶりの高い伸びとなった。トランプ米政権による「相互関税」の4月発動を見越した外国からの駆け込み需要を取り込んだ。
ロイターの予想調査結果の13.5%増を上回った。駆け込み需要は3月に加速し、2月実績の14.0%増よりも膨らんだ。商務省は米高関税政策が依然懸念されるものの、輸出は4―6月期も堅調な伸びが続くとみている。
タイは輸出けん引型で、経済規模は東南アジア第2位。
ピチャイ・ナリパタパン商務相は記者会見で、第・1四半期(1―3月)の輸出は前年同期比15.2%増で、第2・四半期も引き続き増加するとの見通しを明らかにした。
政府は年間ベースの目標を従来、前年比2―3%増と予想してきた。商務相は「達成される見込みであり、米国との貿易交渉が成功すれば、一段と高い伸びが期待できる」と述べた。
米国はタイにとって最大の輸出相手国で、昨年の輸出総額は549億6000万ドルと、全体の18.3%を占めた。米国はタイとの貿易赤字が456億ドルとしている。
対米関税交渉は週内実施の予定だったが、米国側から重要な懸案事項で見直しを求められて先送りとなった。ナリパタパン商務相は「準備が整い次第、会談を行う」と述べ、交渉の先行きに期待を示した。