南ア3月CPIが5カ月ぶり下振れ、5月に追加利下げ余地との観測も
[ヨハネスブルク 23日 ロイター] - 南アフリカ統計局が23日発表した3月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は2.7%と、過去5カ月で初めて下振れ、2020年6月以来の低い伸びになった。燃料費下落と教育費の伸び鈍化が主因だ。
ロイターがまとめたエコノミスト予想の2.9%も下回り、南ア準備銀行(中央銀行)が設定する目標圏(3─6%)の下限を割り込んだことから、中銀が5月に開く次回会合で追加利下げに動く余地が出てきたとの見方が出ている。
独立系エコノミスト、エリーゼ・クルーガー氏は「(中銀が)さらに金利を下げて経済を下支えし、世界的貿易戦争による打撃を和らげる余地は十分にある」と指摘した。
ただ中銀は前回3月の会合で、それまで3回続けてきた利下げを見送り、トランプ米大統領の関税政策と南アフリカ政府の予算に起因するリスクを見極める姿勢を示した。
スタンダード・バンクのエリナ・ムールマン氏は、今回のCPIで賃貸住宅市場に軟化の兆しが見え、これは物価圧力を弱める力になるが、関税問題や通貨ランドの下落に対する中銀の懸念を勘案すれば、早期の追加利下げは必ずしも実現しないかもしれないと述べた。