ロシア、2050年までに天然ガス輸出が大幅増加と予想 原油は安定推移

4月14日、ロシア政府は新たなエネルギー戦略を公表し、2050年に向けて同国の原油生産が安定的に推移し、天然ガスの生産と輸出が大幅に増加するとの見通しを示した。ロシア中部タタルスタン共和国の油田施設を2023年6月撮影(2025年 ロイター/Alexander Manzyuk)
[モスクワ 14日 ロイター] - ロシア政府は14日公表した新たなエネルギー戦略で、2050年に向けて同国の原油生産が安定的に推移し、天然ガスの生産と輸出が大幅に増加するとの見通しを示した。
パイプライン経由の供給と液化天然ガス(LNG)の海上輸送を含めた天然ガス輸出量は2030年に2930億立方メートルと、23年の1460億立方メートルからの拡大を目指す。50年には4380億立方メートルに引き上げる目標だ。
うちLNGの輸出は、23年の450億立方メートルから30年には1420億立方メートルに急増し、50年にはさらに2410億立方メートルに増えるとしている。
原油生産は23年の年間5億3100万トンから安定的に拡大し、50年には同5億4000万トン(日量1080万バレル)となる見通し。原油輸出も23年の2億3400万トンからわずかに増え、30年から50年までは年間2億3500万トンで横ばいになると予想した。
2022年にウクライナを侵攻したロシアへの制裁に伴い、主要貿易相手である欧州に向けたパイプライン経由の天然ガス輸出は急減した。
北極圏で進めている大規模なLNG事業「アークティックLNG2」からのLNG輸出は、米国の制裁により再開できていない。原油の世界市場への輸出は続いている。