中国が生成AI利用し偽情報拡散、社会分断が狙いと台湾

4月8日 台湾の情報機関、国家安全局は、中国が人工知能(AI)を利用して台湾に関する偽情報を拡散し、台湾住民を「分断」しようとしていると指摘した。写真は1月27日撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[台北 8日 ロイター] - 台湾の情報機関、国家安全局は、中国が人工知能(AI)を利用して台湾に関する偽情報を拡散し、台湾住民を「分断」しようとしていると指摘した。
立法院(国会)への報告書(複写)をロイターが検証した。今年に入り50万件以上の「物議を醸すメッセージ」を国家安全局が検知したとしている。
中国は先月の頼清徳総裁の中国に関する演説や、台湾積体電路製造(TSMC)の対米投資の発表といった機微なタイミングで、「(台湾)社会に分断を生む」目的で「認知戦争」を仕掛けたと指摘した。
「AI技術の応用が広まり成熟するにつれ、中国共産党がAIツールを使って物議を醸すメッセージの生成と拡散を支援していることも判明している」と述べた。
さらに中国が台湾に対し「グレーゾーン」戦術を強化し、中国海警局船の台湾海域侵入や台湾に気球を飛ばす事案が今年急増したと指摘し、台湾軍はその対応に追われ消耗しているとした。
中国国務院台湾事務弁公室はコメントの要請に応じていない。