スイス中銀理事、米大統領による「為替操作国」批判に反論

スイス国立銀行（中央銀行）のペトラ・チュディン理事は３日、トランプ米大統領が新たな通商政策に基づいてスイスを為替操作国として標的にする可能性を示唆したのに対し、中銀は為替操作をしていないと反論した。写真は１月２９日、ベルンで撮影。（２０２５年　ロイター/Denis Balibouse）

[チューリヒ　３日　ロイター] - スイス国立銀行（中央銀行）のペトラ・チュディン理事は３日、トランプ米大統領が新たな通商政策に基づいてスイスを為替操作国として標的にする可能性を示唆したのに対し、中銀は為替操作をしていないと反論した。スイス・チューリヒでのイベントで言及した。

中銀が為替介入を実施したのは、「物価安定という任務を果たすため」インフレ率を目標のゼロから２％に収めるのが狙いだったとし、輸出を増やすためではなかったと強調した。

トランプ氏は２日、スイスからの輸入品に対して欧州連合（ＥＵ）より高い関税率を課すと発表。トランプ氏は米国が貿易相手国からむしり取られてきたとし、関税強化によって貿易赤字を削減したいと主張した。

チュディン氏はスイスからの輸入品に対する関税率の高さに驚いたとも語った。

また、スイス中銀が以前米財務省に対し、為替介入は輸出拡大のためではなく投資家が安全な通貨としてスイスフランを買った局面での防衛手段だったと説明していたことを明らかにした。

これに先立ってスイス中銀は、関税による影響の分析を踏まえてトランプ政権との対話を続けていくと表明した。