ニュース速報
ワールド

シリア新暫定政府に少数派が入閣、社会労働相には女性起用

2025年03月31日(月)14時53分

シリアのシャラア暫定大統領は29日、新たな暫定政府を発足させた。写真は29日暫定政府を発表するシャラア氏(2025年 ロイター/Khalil Ashawi )

[29日 ロイター] - シリアのシャラア暫定大統領は29日、新たな暫定政府を発足させた。23人の閣僚を任命し、国内少数派からの起用やスポーツ省新設など政府指導部の層を広げた。

数十年に及ぶアサド家支配からの新体制移行に向けた重要な節目となり、シリアと西側諸国との関係改善につながるとみられている。

シャラア氏は、自身が率いる過激派「シリア解放機構(HTS)」出身のアブカスラ国防相やシェイバニ外相を閣内に残した一方、新たに運輸相にアサド前大統領の出身宗派イスラム教アラウィ派のバドル氏を任命した。

また、農業かんがい相にバドル氏、社会問題・労働相にキリスト教徒で宗教間の寛容などに取り組んできた女性カバワット氏をそれぞれ起用した。財務相にはベルニー氏を任命した。

シャラア氏が率いる暫定政府はイスラム教スンニ派が主導している。西側諸国とアラブ諸国は、シリア国内の多様な民族や宗派を暫定政府に参加させるよう迫り、今月上旬に起きた北西部の大規模衝突で数百人のアラウィ派市民が死亡すると、そうした圧力が一段と高まっていた。

シャラア氏は緊急事態省も新設し、大臣には救護活動を行うシリア民間防衛隊(ホワイトヘルメッツ)のサレハ代表を任命した。

暫定政府は首相ポストを設けず、シャラア氏が行政府を率いる見通しだ。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック上昇、トランプ関税

ワールド

USTR、一部の国に対する一律関税案策定 20%下

ビジネス

米自動車販売、第1四半期は増加 トランプ関税控えS

ビジネス

NY外為市場=円が上昇、米「相互関税」への警戒で安
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中