ニュース速報
ワールド

米国防長官、フィリピン防衛への関与確認 南シナ海に「抑止力必要」

2025年03月28日(金)16時13分

 ヘグセス米国防長官(右)は28日、フィリピンのマルコス大統領とマニラで会談し、両国の相互防衛協定に対する揺るぎない関与を確認した。マニラのマラカニアン宮殿で代表撮影(2025年 ロイター)

[マニラ 28日 ロイター] - ヘグセス米国防長官は28日、フィリピンのマルコス大統領、テオドロ国防相とマニラで会談し、両国の相互防衛協定に対する揺るぎない関与を確認した。中国の「侵略」といった脅威を踏まえ、南シナ海に抑止力が必要との認識も示し、フィリピンに高度な軍事力を追加配備する方針を示した。

ヘグセス氏は「抑止力は世界中に必要だが、共産主義中国からの脅威を考慮すると、この地域やフィリピンでは特に必要だ」と述べた。

また「トランプ大統領とともに、両国の相互防衛協定と経済・軍事的なパートナーシップに対する揺るぎない関与を表明する」とした。

米国は戦争を求めていないとも発言。テオドロ氏との共同会見で「トランプ大統領は平和を求めている。だが、そうした平和をもたらすために、われわれは強くなる」とし「同盟国はわれわれの支援を知ることになる。われわれの司令官は準備を整えており、適切な装備も整っている。われわれはトランプ大統領の下で軍を再建している」と述べた。

フィリピンに高度な軍事力を追加配備する方針も示し、対艦ミサイルシステム「NMESIS」や「非常に高性能な」無人水上艇が含まれる可能性があると語った。

また、台湾に近いフィリピン最北端のバタネス諸島で二国間の特殊部隊訓練作戦を実施することでも合意したと明らかにした。

「われわれのパートナーシップは今日も続いているだけでない。われわれはこのパートナシップをさらに強化しており、鉄のように堅固な同盟はこれまでになく強固なものとなっている」とした。

マルコス氏は、ヘグセス氏の訪問がフィリピンに対する米国の支持を示しているとし、南シナ海を含むインド太平洋地域の平和を維持するために両国が協力し続けるという非常に強いメッセージを送るものだと述べた。

中国国防省の呉謙報道官はヘグセス氏の訪問に先立ち、米国とフィリピンの軍事協力が他国の安全保障上の利益を損なうべきではないとけん制した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ローマ教皇フランシスコ死去、88歳 初の中南米出身

ビジネス

IMF・世銀会合、「関税」一色に 二国間交渉が焦点

ワールド

イラン外相、22日に中国訪問 米国との核交渉巡り協

ビジネス

中国から米ボーイング機返送、2機目がグアム着=飛行
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 4
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 9
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 10
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中