ウクライナ衛星通信利用へEUの資金援助提言=欧州委の防衛白書

欧州連合(EU)欧州委員会は19日、欧州防衛の将来に関する白書を発表した。(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Gianluca Lo Nostro
[19日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は19日、欧州防衛の将来に関する白書を発表した。欧州の複数の衛星通信事業者が衛星通信サービスを巡ってEUと協議する中、こうした事業者が提供するサービスをウクライナが利用できるよう資金提供すべきだと提言した。
白書でEUは「ウクライナ軍を支援し、要請に応じる」べきで、ウクライナにEUの衛星通信サービスへのアクセスも認められるべきだと言及。「そうすることでウクライナは宇宙を経由するサービス供給先を分散化できる」とし、特定のサービスが遮断された場合でも通信機能を回復できる能力を高めることが可能になると指摘した。
先月、情報筋はロイターに、ウクライナが米国と鉱物資源を巡る取引に合意しなければ、トランプ米大統領との関係が深い実業家のイーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXの衛星インターネット接続サービス「スターリンク」が遮断される可能性があると語った。
これを受け、EUはウクライナの衛星通信のアクセス確保を急いでいる。
スペインの衛星企業Hisdesatは、衛星「Spainsat NGI」が稼働を開始すれば、ウクライナ上空での商業・軍事能力が強化されるとしている。
Hisdesat社の広報担当者はロイターに、筆頭株主のHispasatはウクライナでのサービス提供のため、何が利用できるかを分析していると述べた。