ラジオ自由欧州への米資金拠出停止、EU各国が対応模索

トランプ米政権が「ラジオ自由欧州・ラジオ自由(RFE・RL)」への資金拠出停止を発表したことについて、欧州連合(EU)加盟国は17日、RFE・RLの事業を継続させる構えを示した。写真は17日、チェコのプラハにあるRFAの本社。(2025年 ロイター/David W Cerny)
Lili Bayer
[ブリュッセル/プラハ 17日 ロイター] - トランプ米政権がこのほど「ラジオ自由欧州・ラジオ自由(RFE・RL)」への資金拠出停止を発表したことについて、欧州連合(EU)加盟国は17日、RFE・RLの事業を継続させる構えを示す一方、米国に代わって資金を負担するのは容易ではないという苦しい事情を吐露した。
チェコの首都プラハに本拠を置くRFE・RLは冷静時代、共産圏の人々に声を届けるために設立されたメディアで、米国が資金を拠出してきた。現在はイラン、ロシア、ベラルーシ、ウクライナなどに向けて放送している。
ベルギーの首都ブリュッセルで開かれたEU外相会議でチェコのリパフスキー外相は、自由なメディアが禁止されていたり、十分に育っていなかったりする国々に、RFE・RLはニュースを届け続ける必要があると述べた。
EUの外相に当たるカラス外交安全保障上級代表は記者団に、RFEは「民主主義の灯台」であり、米国が資金拠出停止を決めたのは遺憾だと表明。EU閣僚らは対応を探ることで合意したと説明した上で、「われわれは、米国の穴を埋めるだけの資金を出せるだろうか。われわれは同様の要請をして来る多くの機関を抱えているため、即答はできない」と明かした。
RFE・RLのスティーブン・ケイパス社長兼最高経営責任者(CEO)は週末に声明を出し、米国の資金拠出停止は「米国の敵に対する大きな贈り物になるだろう」と皮肉った。