エジプト、スエズ運河収入が月8億ドル減 中東情勢が海運に影響

エジプトのシシ大統領は3月17日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海の船舶を攻撃する中、スエズ運河の月間収入が8億ドル前後減少していると明らかにした。2024年10月、ロシアのカザンで代表撮影(2025年 ロイター)
[カイロ 17日 ロイター] - エジプトのシシ大統領は17日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海の船舶を攻撃する中、スエズ運河の月間収入が8億ドル前後減少していると明らかにした。
イランが支援するフーシ派は、イスラエルとの戦争でパレスチナ自治区ガザの住民を支援するため、2023年11月以来紅海地域で船舶を攻撃。船舶が近くのスエズ運河を避けてアフリカを迂回せざるを得なくなり、世界の海運の混乱と輸送コストの上昇につながっている。
エジプト大統領府の声明はフーシ派に直接言及していないが、シシ氏は昨年12月、この混乱で24年のスエズ運河からの収入が約70億ドル減少すると述べていた。
フーシ派は、15日に少なくとも53人が死亡した米国の攻撃への報復として、紅海で米船舶への攻撃を再開すると表明。また先週には、イスラエルがガザへの援助物資搬入阻止を解除しなければ、紅海を通過する同国船舶への攻撃を再開すると表明している。