インド2月CPI上昇率が半年ぶり4%割れ、中銀に追加利下げ余地

インド政府が3月12日発表した2月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は3.61%で、半年ぶりに4%の節目を割り込み、昨年7月以来の低い伸びになった。2023年8月、ナビムンバイの市場で撮影(2025年 ロイター/Francis Mascarenhas)
Sarita Chaganti Singh Manoj Kumar
[ニューデリー 12日 ロイター] - インド政府が12日発表した2月の消費者物価指数(CPI)前年比上昇率は3.61%で、半年ぶりに4%の節目を割り込み、昨年7月以来の低い伸びになった。
エコノミスト予想の3.98%を下回ったほか、1月の前年比上昇率は4.31%から4.26%に下方改定されたため、準備銀行(RBI、中央銀行)の追加利下げ余地が広がった。
CPIの前年比上昇率がRBIの許容レンジ(2-6%)内に収まるのは4カ月連続となる。
2月のCPI減速は、好天によって供給状況が改善した野菜の価格下落が主な要因。1月に前年比11.35%上昇した野菜は2月に1.07%下落とマイナスに転じ、食品価格全体も3.75%上昇と23年5月以来の低い伸びだった。
野菜価格は過去1年にわたり、物価押し上げを主導する役割を果たしていた。
DBS銀行のエコノミスト、ラドヒカ・ラオ氏は「物価上昇率は予想よりも急速なペースで鈍化した」と述べ、RBIは4月に安心して利下げする公算が大きいとの見方を示した。
複数のエコノミストは4月から8月までの間に50ベーシスポイント(bp)の追加利下げが実施されると予想している。
RBIは2月の会合で、物価上昇が和らぐとの見通しに加え、経済成長をてこ入れする目的で約5年ぶりの利下げを決定し、政策金利を25bp引き下げた。