ドイツ次期首相候補、大型財政支援策の支持獲得に尽力 見通し不透明

3月5日、ドイツの次期政権樹立に向けて連立交渉中の保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は、5000億ユーロ規模のインフラ基金の創設と、借り入れ規制の見直しで合意したが、緑の党が難色を示しており、支持獲得に疑問が生じている。写真はメルツCDU党首。4日、ベルリンで撮影(2025年 ロイター/Lisi Niesner)
Sarah Marsh Matthias Williams
[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツの次期政権樹立に向けて連立交渉中の保守連合キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と中道左派の社会民主党(SPD)は、5000億ユーロ規模のインフラ基金の創設と、借り入れ規制の見直しで合意したが、緑の党が難色を示しており、支持獲得に疑問が生じている。
CDU・CSUとSPDは来週、連邦議会(下院)に法案を提出する方針で、採決は17日に実施される可能性がある。
しかし、現在の議会で改革実施の重要な鍵を握る緑の党は気候変動対策が盛り込まれていないことを疑問視し、支持表明を拒否している。
極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」と旧共産党系の流れをくむ左派党は法的措置を取ると警告した。新議会では両党が改革を阻止するのに十分な議席を有することになる。
次期首相への就任が有力視されるメルツCDU党首は、CDU・CSUとSPDの議員連盟が来週、連邦議会に対し、国内総生産(GDP)比1%を超える防衛費を債務ブレーキの対象から外す内容の憲法改正案を提出すると述べた。
これとは別に専門家委員会が、恒久的に投資を促進するために債務ブレーキの近代化案を作成する。
CDU・CSUとSPDは現在の議会会期中の法案通過を目指しているが、見通しは不透明だ。