欧州委、8000億ユーロ規模の防衛計画提案 共同借り入れなど

3月4日、欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、欧州の防衛力強化に向けた総額8000億ユーロ規模の防衛計画を提案した。写真は同委員会のフォンデアライエン委員長。同日、ブリュッセルで撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は4日、欧州の防衛力強化に向けた総額8000億ユーロ規模の防衛計画を提案した。1500億ユーロ(約1577億6000万ドル)を共同で借り入れ、EU各国政府に防衛資金として貸し付けることをなど盛り込んだ。
欧州委は新たな共同借り入れについて、防空・ミサイル防衛、大砲システム、ミサイル・弾薬、ドローン、対ドローンシステムといった、欧州全体の能力向上につながる分野に使用すると説明。サイバーや軍事的機動性など、その他のニーズに充てることも想定しているとした。
フォンデアライエン欧州委員長は「加盟国が需要を共有し、共同で購入するのに役立つ。コストが削減され、断片化が解消され、相互運用性が向上し、防衛産業基盤が強化される」と述べた。
6日に開催される国防支出に関するEU特別首脳会議で、この提案について討議する。
共同借り入れに加えて、防衛投資に関する政府支出規制の撤廃、防衛費増額、EU予算の防衛目的使用などを合わせ、国防プロジェクトに使える資金は最大8000億ユーロに達する可能性があるとしている。