NZ、クック諸島との関係「リセット」必要 中国と協定締結で
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2月19日、ニュージーランド(NZ)のピータース外相(写真)は同国の自治領であるクック諸島政府との関係を「リセット」する必要があると述べた。クック諸島が事前の協議なしに中国と協定を結んだことが理由。2024年4月撮影(2025年 ロイター/Craig Hudson)
Christine Chen
[19日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のピータース外相は19日、同国の自治領であるクック諸島政府との関係を「リセット」する必要があると述べた。クック諸島が事前の協議なしに中国と協定を結んだことが理由。
ピータース外相はウェリントンの会合で演説し、クック諸島のブラウン首相が締結した中国との不透明な取引はNZとの憲法上の関係を試す新たな試みだと発言。
「クック諸島の人々とNZの結びつきは依然強固だが、われわれは現在、政府間関係の課題に直面している」とし「政府間関係をリセットする必要があるだろう」と述べた。
クック諸島は自治国だが、NZと自由連合関係にあり、国家元首と市民権を共有している。独立した外交政策を認められているものの、安全保障・防衛・外交問題については両国の協議が義務づけられている。
ブラウン首相は今月、訪中し、教育・経済・インフラ・漁業・災害管理・海底採掘など多岐にわたる戦略的パートナーシップ協定に署名した。
中国は太平洋地域で存在感を増しており、NZは国家安全保障を脅かしかねないとして警戒している。
これに先立ち、クック諸島は独自のパスポートと市民権を導入する計画を明らかにしたが、NZは計画を実現するにはクック諸島が完全な独立国家になる必要があると主張している。
また、ピータース外相は、キリバス政府がNZ政府当局者による訪問を突然キャンセルしたことを受け、同国との関係が緊張していることにも言及した。
キリバスもここ数年、中国と複数の協定を結んでいる。
ピータース外相はNZが過去3年でキリバスに1億NZドル(5700万ドル)以上の援助を約束しており、資金の使途を見直す必要があると述べた。