米ロス北部の新たな山火事が拡大、25日からの降雨予想に期待
1月23日、ロサンゼルスの北約80キロに位置するキャスティーク・レイク地区で22日発生した新たな山火事「ヒューズ火災」は、強風と極度の乾燥が消化活動の妨げになるとみられている。カリフォルニア州サンタクラリタで22日撮影(2025年 ロイター/Ringo Chiu)
David Swanson Brendan O'Brien
[キャスティーク(米カリフォルニア州) 23日 ロイター] - ロサンゼルスの北約80キロに位置するキャスティーク・レイク地区で22日発生した新たな山火事「ヒューズ火災」は、強風と極度の乾燥が消化活動の妨げになるとみられている。
カリフォルニア州消防当局によると、火災は1万0176エーカー(4118ヘクタール)に拡大。消防士4000人が消火活動にあたっており、鎮火率は14%。
先に発生したパシフィックパリセーズ地区(鎮火率70%)と東部イートン地区(鎮火率95%)の火災に加え、ヒューズ火災も50マイル(80キロ)、突風時速65マイルに達するサンタアナの強風と24日にかけて10%を割り込む見通しの湿度が消火を困難にすると予想されている。
目撃者が投稿した動画では、22日午後にヒューズ火災が急速に拡大し、ロサンゼルス北部の空がオレンジ色に染まる様子が映っている。
南カリフォルニアでは過去9か月間まとまった雨が降らず危険な状況が続いているが、25日から週明け27日にかけては降雨が予想され、鎮静化が期待されている。
災害リスク解析を手掛ける米KCCは、ロサンゼルスの山火事による保険損害を約280億ドルと見積もっており、米国史上最も甚大な被害をもたらした山火事となる見通し。
ベリスク・アナリティクスも、損害額の見積もりを280億─350億ドルとしている。
カリフォルニア州消防当局によると、7日の火災発生以来、焼失面積はワシントンDCとほぼ同じ面積に達し、28人が死亡、約1万6000棟の建物に被害が出ている。
米国だけでなく欧州の保険会社も、数十億ドル相当の損害賠償請求に直面すると予想されている。