最新記事
EV

苦しむテスラに中国「百度」が協力... 高度運転支援システム(ADAS)性能向上のため人員を派遣との情報

2025年3月14日(金)12時26分
テスラの高度運転支援システム(ADAS)には不満の声

3月13日、米電気自動車(EV)大手テスラは中国検索大手の百度(バイドゥ)と協力し、中国における高度運転支援システム(ADAS)の性能向上に取り組んでいる。写真はテスラのロゴ。米カリフォルニア州 で昨年11月撮影(2025 ロイター/Mike Blake)

米電気自動車(EV)大手テスラは中国検索大手の百度(バイドゥ)と協力し、中国における高度運転支援システム(ADAS)の性能向上に取り組んでいる。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。

テスラは2月、中国で同社のADASであるソフトウエア「フルセルフドライビング(FSD)」のアップデートを提供したが、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が約束したFSDの完全展開には及ばず、顧客から不満の声が上がっていた。

バイドゥはここ数週間、テスラの北京事務所に地図作製チームのエンジニアを派遣して、道路の車線や交通信号などのバイドゥのナビゲーション地図情報とFSDバージョン13との統合の改善に取り組んだという。


関係者は、派遣したエンジニアの数とエンジニアが今も残っているのかについては言及せず、目的はより正確で新しい地図情報を使ってFSDバージョン13の中国の道路知識を高めることだと説明。提携の金銭面の条件についても公表しなかった。

テスラのFSDシステムは米国では、人工知能(AI)による現地情報の学習が走行改善に役立つため、ナビゲーション地図が正確であることや最新であることが必須ではない。

しかし中国ではデータ法が理由で、テスラはEV200万台から得たデータでシステムに学習させることができない。またより安価なEVを提供し、同様のソフトに追加料金を課さない中国同業の比亜迪(BYD)や小鵬汽車(シャオペン)などからの圧力も強まっている。


[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


20250318issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年3月18日号(3月11日発売)は「日本人が知らない 世界の考古学ニュース33」特集。3Dマッピング、レーダー探査……新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


試写会
『シンシン/SING SING』ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・イスラエル、ガザ住民受け入れ巡りアフリカ3カ国

ビジネス

ECBの4月据え置き支持、関税などインフレリスク=

ビジネス

中国新規銀行融資、予想以上に減少 2月として202

ビジネス

独BMW、関税戦争が業績10億ユーロ下押しへ 24
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 10
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中