ニュース速報
ワールド

中ロとイラン、相互尊重に基づく対話要求 北京で次官級会合

2025年03月14日(金)18時51分

3月14日、中国、イラン、ロシアの3カ国がイランの核問題を巡る次官級会合を北京で開いた。国営の中国中央テレビ(CCTV)が報じた。写真は原子記号とイラン国旗。2022年9月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[北京 14日 ロイター] - 中国、イラン、ロシアの3カ国が14日、イランの核問題を巡る次官級会合を北京で開いた。3カ国は、対話はあくまで「相互尊重」に基づき再開されるべきで、イランに対する制裁を全面解除すべきと指摘した。

会合には中国の馬朝旭外務次官、ロシアのリャプコフ外務次官、イランのガリババディ外務次官が出席。終了後に発表された共同声明は、イランが核開発計画はもっぱら平和目的であると改めて表明したことを歓迎し、イランの核エネルギーの平和利用の権利は「完全に」尊重されるべきと述べた。

馬外務次官は会見で「(中国、ロシア、イランは)関係国が現状の根本原因に対処し、制裁や圧力、武力による脅しを放棄することにコミットすべきだと強調した」と述べた。全ての「違法な」一方的制裁をやめる必要性も強調したとした。

ガリババディ外務次官は「イランの核開発計画は本質的に平和的なものだ」と発言。「イランは国際原子力機関(IAEA)の監視下にある。IAEAの大規模な査察を受けている。われわれの核計画が非平和目的に転用されたことは一度もない」と述べた。現在の状況の主な根本原因は、15年に締結した核合意から米国が一方的に離脱したことにあると指摘した。

イランは2015年、核開発を制限する代わりに国際的な制裁を解除する核合意を米国、ロシア、中国、英国、フランス、ドイツと結んだが、トランプ米大統領が1期目の18年に離脱した。

トランプ氏は先週、核問題を巡りイランとの交渉を望む意向を示す書簡を同国に送ったことを明らかにし、「イランにとっての対応は2つある。軍事的な対応か合意(ディール)かだ」と述べた。

イランのペゼシュキアン大統領は、米国による脅威下では核問題を巡る交渉に応じないとした。

イランは、国連安全保障理事会(15カ国)の6カ国(米、英、仏、ギリシャ、パナマ、韓国)が今週、イラン核問題に関する非公開会議を開催したことにも反発し、会議は安保理の悪用だと非難した。

この会議について、中国の王毅外相は14日、安保理の「性急な」介入は信頼構築の助けにならないと述べた。3カ国会合終了後、イランとロシアの次官に、全ての関係当事者が歩み寄り、可能な限り早期に対話と交渉を再開することを中国は望むと述べた。

王氏はさらに米国は「誠意」を示し、できるだけ早くイランとの協議に復帰すべきだと述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・イスラエル、ガザ住民受け入れ巡りアフリカ3カ国

ビジネス

ECBの4月据え置き支持、関税などインフレリスク=

ビジネス

中国新規銀行融資、予想以上に減少 2月として202

ビジネス

独BMW、関税戦争が業績10億ユーロ下押しへ 24
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    中国中部で5000年前の「初期の君主」の墓を発見...先…
  • 10
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中