ニュース速報
ワールド

NY中心部で米国初「渋滞税」開始、公共交通機関向け資金調達

2025年01月07日(火)13時30分

 米東部ニューヨーク市は5日、マンハッタンの60丁目以南を走行する車両に通行料金を課す「渋滞税」を米国で初めて導入した。写真はマンハッタンで2019年3月撮影(2025年 ロイター/Carlo Allegri)

David Shepardson

[ワシントン 6日 ロイター] - 米東部ニューヨーク市は5日、マンハッタンの60丁目以南を走行する車両に通行料金を課す「渋滞税」を米国で初めて導入した。

60丁目以南は世界的なビジネス街があり、米国最悪の渋滞地帯と言われる。「渋滞税」では、日中の乗用車の乗り入れに9ドル、トラックやバスは最大21.60ドルを徴収する。夜間は75%引き。徴収はナンバープレート電子読み取り装置を通じて1日1回に限られる。タクシーとライドシェアの自動車も徴収対象になる。

同市交通局によると、この措置により、導入前の11%に相当する1日当たり8万台の走行車両の減少が見込まれている。

マンハッタンの企業活動中心地域(CBD)には毎日70万台以上の車が乗り入れており、平均時速はのろのろ運転の約7マイル(11キロ)。2010年と比べると23%遅い。

同市は徴収総額が初年度に5億ドルに上ると見積もっている

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は、地下鉄やバスなど公共交通機関の整備費用に150億ドルを借り入れる際の支払い原資に充てる方針を表明している。

同市はトランプ次期大統領の20日の就任を前に「渋滞税」を駆け込み導入した形。ただ、マンハッタンに住居を持つトランプ氏は導入に反対で、撤回を求める意向を明らかにしている。

渋滞緩和を狙った料金徴収の仕組みはロンドンで03年に導入され、現在15ポンド(19ドル)が課されている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

尹氏弁護団、2度目拘束令状に反発 尹氏逃走説は「悪

ビジネス

午後3時のドルは158円前半で堅調、上昇圧力根強く

ビジネス

アングル:米大手銀が相次ぎ脱退、排出量ゼロ目指す国

ワールド

英国の電力源、24年は風力が初の首位 30%でガス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 2
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 3
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 9
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 10
    【クイズ】ゴールドマンサックスが予測! 2025年にGD…
  • 1
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを…
  • 7
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 8
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 9
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 10
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中