尹氏への拘束令状執行、捜査当局が熟慮 大統領代行は流血回避呼びかけ
1月8日、韓国の尹錫悦大統領に対する拘束令状を裁判所が再発布したことを受け、尹氏の弁護団は、令状は誤った管轄の裁判所から出されたもので、高官犯罪捜査庁(高捜庁)には現職の大統領を捜査する権限がないとして、令状失効は受け入れられないと述べた。写真は、ソウルの公邸で尹錫悦大統領を2度目の逮捕から守るために駐車されたバスの近くを歩く警備員。8日撮影(2025年 ロイター/Kim Hong-Ji)
Jack Kim
[ソウル 8日 ロイター] - 韓国の尹錫悦大統領に対する拘束令状を裁判所が再発布したことを受け、大統領職を代行する崔相穆経済副首相兼企画財政相は8日、令状執行にあたり「国民の負傷や政府機関間の物理的な衝突を防ぐため最善を尽くす」よう当局に求めた。
尹氏の弁護団は、令状は誤った管轄の裁判所から出されたもので、高官犯罪捜査庁(高捜庁)には現職の大統領を捜査する権限がないとして、令状失効は受け入れられないと述べた。
弁護団は、尹氏が公邸から逃走したとの一部国会議員の指摘を「悪意あるうわさ」だとして否定し、7日に公邸で大統領に会ったと述べた。
高捜庁の呉東運処長は7日、国会委員会で、3日に拘束令状の執行に失敗したことを謝罪。「2回目の令状執行を最後にするという強い決意で、準備を徹底し、目的を達成するために最善を尽くす」と述べた。新たな拘束令状の期限は明らかにしなかった。国会議員が、大統領警護隊と敷地内の軍隊を制圧するために強硬手段を求めたのに対し、呉氏は異議を唱えなかったが、どのような選択肢が検討されているかは明らかにしなかった。
韓国メディアは、警察の特殊戦術部隊と重装備を動員してバリケードを突破し、2000人以上の警察官が大統領警護官を引きずり出すなど、さまざまなシナリオを報じている。
明知大学のシン・ユル教授は、警察はおそらく検討されているであろう戦術的作戦について豊富な経験を持つと述べた。ただひとたび衝突が起きれば銃撃の危険もあるとし、特に抗議活動参加者の安全を最優先すべきだと指摘した。
建国大学のイ・ヨンヒョク教授は、警察は戦術部隊を派遣するヘリコプターなど資源面で明らかに有利だが、武力行使を唯一の選択肢として検討すべきではないと指摘。拡声器を使って大統領警護員に対し司法妨害はキャリアを台無しにし犯罪歴がつくなどど訴える説得攻勢などを方策として挙げた。
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