プーチン氏、トランプ氏とのウクライナ和平協議に前向き=関係筋
10月20日、 ロシアのプーチン大統領はトランプ次期米大統領とウクライナ停戦合意について話し合うことには前向きだが、ウクライナとの領土問題で大きな譲歩をするつもりはなく、ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念するよう求めている。写真は2019年6月、大阪で会談する両氏(2024年 ロイター/Kevin Lamarque)
Guy Faulconbridge
[モスクワ 20日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領はトランプ次期米大統領とウクライナ停戦合意について話し合うことには前向きだが、ウクライナとの領土問題で大きな譲歩をするつもりはなく、ウクライナに北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念するよう求めている。5人のロシア政府筋がロイターに語った。
トランプ氏は大統領就任後にロシア・ウクライナ戦争を速やかに終結させると宣言している。
ロシア政府の現・元高官5人によると、プーチン氏はトランプ氏が仲介する和平案で、前線での停戦に大筋で合意する可能性がある。また、ドネツク、ルガンスク、ザポリージャ、ヘルソンの東部4州の正確な分割については交渉の余地があるかもしれないという。
ロシアはこの4州を完全なロシア領と主張しているが、ロシア軍が支配しているのは同地域の70─80%であることが前線のオープンソースのデータから明らかになっている。
プーチン氏は今月、停戦合意は現地の「現実」を反映したものであるべきだが、西側諸国がウクライナを再武装させるだけの短期停戦になることを恐れていると述べ、ウクライナの中立維持が和平の条件になるべきだとの考えを改めて強調した。
先のロシア政府筋5人によると、ロシアはウクライナのNATO加盟やウクライナへのNATO軍駐留は容認しないが、ウクライナの安全保障については協議に前向きという。
ただ、このうち2人によれば、ウクライナに米国製長射程兵器を使ったロシア領への攻撃を認めたバイデン大統領の決断は和平合意を複雑にし、遅らせる可能性がある。
ウクライナ外務省のコメントは得られていない。
ウクライナのゼレンスキー大統領は同国領土からロシア兵が全員撤退するまで停戦しないと述べている。